概要
Limited to 400
すでに北米向けのS209が登場済みだが、日本向けSシリーズの最新作となる「S208」。一見、S207のアップデート版のように見えるが、それは半分正解で半分間違いだ。ベースは大幅改良されたD型なので、DCCD(ドライバーズ・コントロール・センター・デファレンシャル)は電磁式LSD&機械式LSDの併用式から電磁式LSDのみのフル電子制御仕様に変更されている。そういう意味ではS203(電磁式LSD)→S204(電磁式LSD&機械式LSD)の進化と似ているかも!?
コンセプトは「精緻を極めること」。つまり絶対的なスペックや数値ではなく、ドライバーの五感に訴える性能を高めるエンジニアリングを目指したそうだ
その一つがエンジンである。伝統のEJ20ターボはS207の「高出力バランスドエンジン」で完成形と言われていたが、回転バランス公差を50%低減したフライホイール/クラッチカバー、ボンネットから空気流入経路を補強するパフォーマンスシュラウド、ノーマル比約60%低減の新構造のマフラー、専用ECUセッティング、インタークーラーウォータースプレイの採用により、最高出力は329ps/422Nmを発揮。スペックで言うとわずか1ps/1Nmの進化となるが、これは「最高のパフォーマンスを最上の状態で発揮させる」と言う精密な作り込みの結果だそうだ。
車体/シャシーの変更はS207から踏襲されるものの、フル電子制御化されたDCCDの特性に合わせて最適化。より自然になった旋回特性も相まって、スラローム試験ではS207を超える通過速度を実現。エクステリアはD型で変更されたフロントマスクに合わせてアップデートされた専用グリルや大型アンダースポイラー、エアアウトレットグリル付リアバンパーなどを採用。インテリアはS207に準じるが、MTモデルながらステアリングにパドル(インタークーラーウォッシャースプレイ用)の追加と、「S208」オーナメント付のインパネ加飾パネル、サイドシルプレート、シリアルナンバー(コンソール&エンジンルーム)などが用意される。
台数は限定450台で、そのうちの100台がノーマル、350台がドライカーボンルーフ、ブラック塗装のBBSホイール、カーボン製スポイラーなどがプラスされる「NBRチャレンジパッケージ」だ。ちなみにSシリーズ初の抽選販売が行なわれたモデルだが、約2600台の申し込みがあったと言う。
SAMURAIシリーズとしては、すでにS208のクールグレーカーキ仕様(限定700台)が現在販売中だが、今回のモデルはスバル定番カラーとなるWRブルーパール仕様となる。
自動車研究家 山本シンヤ
■ レジンモデル
■ 開閉機構ナシ