概要
■ レジンモデル
■ 開閉機構ナシ
17年ぶりに復活を遂げたスープラはBMWとの共同開発モデル。基本コンポーネントはBMWながら、兄弟車のZ4とチームは完全に分けられ並行してプロジェクトが進められ、独自のデザインや走りの味付けが行なわれた。エクステリアはロングノーズ/ショートキャビンや先代を彷彿とさせるリアフェンダー周りの造形、ダブルバブルルーフやランプ類を内側によせる手法など、歴代トヨタスポーツのDNAを盛り込みながらも懐古主義ではないデザインを採用。インテリアは上下に薄いインパネと幅の広いコンソールと言う典型的なスポーツカー空間を構築。操作系や構成アイテムはBMWのインターフェイスを用いるが、メーターやシート、操作系の一部はトヨタ専用品を採用する。
エンジンは伝統の直列6気筒(3Lターボ)と出力違いの直列4気筒(2Lターボ)の3種類。トランスミッションはATの滑らかさとDSGに負けないシフトスピードとレスポンスの良さを備えた8速ATを組み合わせる。プラットフォームは最新BMWの「CLAR」をベースにスープラ用に最適化。高価なアイテムは使わずアルミニウム/スチールの骨格構造の採用でボディ剛性は86の約2.5倍、カーボンモノコックのレクサスLFAも上回る。注目は86よりも短いショートホイールベース(2420mm)とトレッドの関係で”ピュアスポーツ”としてベストなホイールベース/トレッドを優先したパッケージだろう。サスペンションは、フロント:ダブルジョイントストラット/リア:マルチリンク式で、一部モデルにはドライブモードや路面状況に応じて減衰力を最適制御するAVSも設定。更にVSCと連動し電子制御多板クラッチにより後輪左右間のロック率を0-100%の範囲で無段階に最適制御可能なアクティブディファレンシャルを採用。走りのセットアップはトヨタのマスタードライバーだった成瀬弘氏(故人)の最後の愛弟子の一人ヘルヴィッヒ・ダーネンス氏がBMWに駐在して実施。このモデルはRZに設定される「マット・ストームグレーメタリック」仕様。2019年度分は24台限定と言う希少なモデルだ。
自動車研究家 山本シンヤ